概要
『
ポケットモンスター ルビー・サファイア』は、2002年11月21日に株式会社ポケモンからリリースされた
ゲームボーイアドバンス用のロールプレイングゲームで、ホウエン地方を舞台にしている。パッケージには『ルビー』のグラードンと『サファイア』のカイオーガが描かれており、これらは
ポケットモンスターシリーズの新たな冒険の入り口となる作品である。また、2004年9月にはこの2作品のマイナーチェンジ版である『
ポケットモンスター エメラルド』も登場している。
本作はシリーズの完全新作としては3作目にあたり、グラフィックやサウンドのクオリティが向上した点が特徴だ。また、初めて4人同時通信が可能になり、後のシリーズ作へのポケモン移行が一方通行で行えるようになる等、通信機能も充実している。ホウエン地方は過去作とは異なり、新たな135体のポケモンが追加され、当時のポケモンの総数は386体に達する。
ゲームシステムの革新
とくせい
本作では「特性」という新たな要素が導入されており、これは各ポケモンが持つ特殊な能力を示す。特性にはポケモンごとに数種類があり、入手時にランダムで決まるため、育成戦略に多様性が生まれた。
せいかく
さらに、ポケモンごとに異なる性格も存在し、これによりステータスに補正が入る。全体で25種類の性格が用意されており、能力の強化にも影響を与えるため、育成がより奥深くなっている。
ダブルバトル
新たに導入されたダブルバトルでは、2匹のポケモンを同時に使って戦うことができ、戦術の幅が広がった。この仕組みによって、複数のポケモンの組み合わせ性が試されるようにデザインされており、公式の大会ルールにも取り入れられている。
ストーリーの流れ
主人公はホウエン地方のミシロタウンに移り住み、オダマキ博士を助けることで、初めてのポケモンとポケモン図鑑を手に入れる。以降はバッジを集める冒険が始まり、悪の組織であるマグマ団やアクア団との対立が描かれる。最終的には、伝説のポケモングラードンやカイオーガとの対決を通じて、ホウエン地方の危機を救うことに挑む。
地理と文化
ホウエン地方の地形は実際の
九州地方がモデルになっており、豊かな自然が特色である。多種多様な地形が用意されており、プレイヤーは海や山、森を探索しながら数多くのポケモンと出会うことができる。各町には独自の文化や人物が存在し、プレイヤーにさまざまな体験を提供する。
音楽と開発秘話
音楽に関しては、本作がシリーズのチップチューンの最後の作品である。音楽を担当した一之瀬剛は、曲を通じて各種の感情を描くことに非常に力を入れている。また、開発は
2000年の
ゲームボーイアドバンス完成後から始まり、数々の新機能やポケモンの個性を追求する形で進行した。
反響と売上
『
ポケットモンスター ルビー・サファイア』は、日本で初週109万本を売り上げ、2003年には年間売上ランキングでの高評価を得たり、世界では1614万本という累計売上を記録した。プレイヤーからの評価も高く、特に新たなゲームシステムに関する肯定的な意見が多いため、シリーズにおける重要な作品となっている。
結論
ポケモンシリーズの新たな挑戦として『
ポケットモンスター ルビー・サファイア』は、グラフィック・サウンド・ゲームシステムのいずれにおいても進化を遂げ、プレイヤーに新しい遊び方を提供し続けている。これらの要素は後の作品にも影響を与えることとなり、ポケモンファンにとって忘れられない作品となっている。